寒くて美しいロシアの冬…メーテル帽と毛皮のロングコートは必需品。
ロシアの冬は美しい
モスクワの市場で一目惚れして買った油絵。
ロシアの冬は寒かった。
でも美しかった。
一年の中でベストシーズンといっても良い、真っ白の世界。
そして、芸術の冬!
夏の間海外に出てきたトップの芸術家が帰国し、素晴らしいステージが展開されます。
そして、劇場へ向かう車の窓には美しい雪の結晶が貼り付き気持ちを高めてくれる。
ロシアの冬と言えば、メーテルの帽子と毛皮のロングコート。
ロシアでは贅沢品ではなく、必需品。
マイナス30度~40度にもなると、おでこと後頭部そして耳を守らないと凍る。
一度凍った脳は、解凍すると高野豆腐のようになって、障害が出ることもあり、侮ってはいけない!
ロシアに住み始めたのは3月の終わり。
私はすぐにメーテルの帽子を買いに行った。
ところが黒のロングヘアーにメーテルの帽子はメーテルどころかボンバーみたいで笑いが止まらなくなるほど似合わなかった。
しかも、当時のロシアでも2万も3万もする高額品だったのです。
メーテルになりたかった私ですが、潔く諦めてムートンの帽子にしました。
今でも日本で愛用しています。
そして、ぬくぬくとあたたかい毛皮のロングコート。
朝の電車の通勤ラッシュには、乗客で一杯になるのだけれど、
暑くなりすぎるものだから、暖房どころか天井が開いていてそこから雪が吹き込むのだけれど、誰も文句は言わない。
毛皮のロングコートの良いところは、汚れに強いところだ。
濡れようが、泥水が跳ねようが、パッパと手ブラシで払えば汚れが落ちる。クリーニングに出さずとも長く着られる優れもの。
なので、今ではダウンコートを来ている人も見かけるけれど、やはり毛皮のロングコートが便利なのです。
そして、ロシア人は、どんなに寒くてもベビーカーを押してでもお散歩が大好き。
お散歩しながら市場へお買い物に行く。
市場で売られているスープ用のお肉は、いかに脂肪が沢山ついているかがポイント。
9月から5月まで続くモスクワの冬を乗りきるには、
脂がたっぷり浮いたスープとそしてウォッカが大切なロシア人の食卓である。
子供達は、毎朝スキーへ行く格好で学校へ行った。途中、送迎の車にもしもの事があったとき、凍死しないように。
そんなに寒くても、小学校では、毎日尻滑りをやっていたし、幼稚園ではお散歩の時間があったのでした。